Jully〜あなたと夢を〜
お父さんもお母さんも私の新しい恋を喜んでくれた。泣きながら話す私を、泣きながら喜んでくれた。
『もう1度会って話をしなさい。』そういうお父さんの言葉で、何度か会いに行こうとした…。
でも弱い私にその勇気は無かった。結局今も弱いまま……。好きな人を失うのが怖い弱い女。
だから…だから今日も普通に仕事に行こう…弱い女だから…そう思ってたのに、研二さんに会いに行かないって思ってたのに…。
カレンダーに○なんか付けて、それを見ながらギリギリまで家で悩んでる…。
ブルブルブル……
バックの中の携帯が震え、カレンダーから目を移す。着信はディレクターからだった。
「もしもし」
「あっ、朱美さん?」
ディレクターからの電話で決めた。仕事に行こう…そう思って携帯電話片手に立ち上がった。