Jully〜あなたと夢を〜

程なくして、『控え室』と書かれたドアの前に立つ。


トントン!


「は〜い!」


社長のノックの後、部屋の中から研二さんの声。声を聞く限りいつもの研二さん、どうやら緊張してるのは私達の方みたい。


「ジュリー!入るぞ〜皆連れて来たから。」


社長はそう言って、ドアを開ける。社長と店長の後を雪ちゃんと一緒に中へ。


ギター片手に私達に笑顔を向ける研二さん。


「みんなありがとね!」


そう言う研二さんはやっぱり緊張してなさそう…。みんなで数分談笑する。


私はライブの緊張か、研二さんを前にしてのドキドキか分からないけど、あまり喋れないでいた。


「よし、ジュリーは準備があるから皆そろそろ行くか?」


社長の呼び掛けに、「頑張れ」と言って3人で控え室を出ようとした。


「…朱美さん。ちょっといい?」


研二さんの声に控え室を出ようとした私の足が止まる。



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