Jully〜あなたと夢を〜
ドクン…ドクン…
自分の心臓の音が、私の体に回した研二さんの腕を伝わり聞こえてくる…。
それが余計に恥ずかしく、何も言えないまま真っ赤な顔で、抱き締められ続けていた。
どのくらい抱き締められていただろう…廊下から足音が聞こえたと思うと、社長の声。
「行くぞ〜ジュリー!」
「わかりました!」
そう答えた研二さんが私に回した腕を解く。
「朱美さん…パワー頂戴!」
そう言ったと思うと、カチコチに固まった私の体を反転させ、研二さんと向かい合わせ。
恥ずかしさで俯く私の肩に触れる…。その手は心なしか震えていた。
─緊張してる…?
そう思った瞬間、俯く私の顔のすぐ近くに研二さんの顔…。
そして研二さんと初めてのキス…