Jully〜あなたと夢を〜
「2人共遅い〜!」
「賢ちゃんごめん〜!」
2人共キモい〜!
そう思ったけど言わなかった…。言わないのが正解だと瞬時に感じとった。
雪ちゃんに手をひかれ外に出ると、店長が煙草をふかし待っていた。
店長は煙草を消し、雪ちゃんと私に買ってきたというコンサートグッズを手渡す。
タオルに帽子、ペンライトにパンフレットまで…コンサートグッズは全部雪ちゃんがデザインしたらしい。
3人で帽子を被り、タオルを首に掛け会場へと進む列に並ぶ。
帽子を深めに被り、中々引かない赤い顔を隠す。
雪ちゃんにはバレてるけど…。
その間も長い列はスムーズに進み、私達は武道館に足を踏み入れた。
夢にまで見た武道館、3人で席に座ってパンフレットを見ながら、開演を待った。