Jully〜あなたと夢を〜
「誰1人欠けても、俺の夢は叶わなかったと思います。社長、本当にありがとうございます。」

「なにかしこまってるんだジュリー。俺達のした事はたいしたことない。お前の努力と、夢を叶えようとする気持ちが強かったからだよ。」


舞台の袖に向かいながら、社長と笑いながら話す。一歩一歩ステージに近付くに連れ、観客の熱気や声が体に伝わる。


社長と2人、舞台の袖に立った。フゥ〜っと大きく深呼吸して、手のひらに人の文字を書きパクっと飲み込む。


「いっちょまえに緊張してんのか?」

「違う緊張です…」

「…?」


何だ?といった顔で俺を見る社長。その顔を見てついつい笑う。


違う緊張の意味を説明しようとしたその時、照明が落ち観客の悲鳴にも似た歓声が鳴り響く。



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