Jully〜あなたと夢を〜
1人でソファーに座って手拍子をしていると、ママがビール片手にやって来た。
「本当にあの子が夢を叶えるとは思わなかったわ。」
カラオケで大盛り上がりの研二さん達を見ながら嬉しそうに呟く。
「そうですか?」
「え?」
手拍子を続けながらもママのつぶやきに答える。
「私は信じてました。研二さんならやってくれる。夢を叶えられるって。それがこんなに早いとは思わなかったですけど。」
笑顔でそう答えママの顔を見る。手に持ったビールを一気に飲み干し、大きなゲップをたてて席を立つ。
「あなたが居たからよ。」
「え?」
「朱美さんが居たから、あの子は頑張れた。そう思うの。」
「…そうですか?」
「そうよ。最後のアンコールの時の曲聞いたでしょ?」
「…はい。」
「最高の顔で、最高の曲を歌ってたでしょ?誰の為でもない、朱美さんの為に。」