Jully〜あなたと夢を〜

「着いたよ。」


「はぁはぁ…健児歩くの早いよ…。何ここ?」


駅の階段の下に連れて来られ、訳が分からない私は健児に尋ねた。


「今日からここが俺の場所。俺たちの場所。」


そうニコニコしながら言った。


「はぁ?どういう意味?」


やっぱり健児は訳分かんない…。


「だから今日から俺、この場所で歌う。」


そう言っていきなり座りだし、肩に担いでたギターを下ろす。


「ちょ…止めてよ。恥ずかしいからさ…」


周りの目が気になり、あたふたする私を無視して、健児は準備を続ける。


「じゃあ離れて聞いてていいよ。新しい曲出来たから、聞いて感想ちょうだい」


そう言って、ギターを鳴らし始めた。


健児の事を辺りにいた人達がチラチラ見だした。
私は恥ずかしくなり、ちょっと離れた椅子に座った。


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