Jully〜あなたと夢を〜
「待ちなさい!小雪!」
「や〜だよ〜。」
5月5日、健児さんの誕生日。毎年恒例のお墓参り。
今も変わらず毎年ここに来ているのは、俺がそうしようと言ったから。今年は店長、雪ちゃん夫婦も一緒。
雪ちゃんはすっかりお母さんになって、今は娘さんの小雪ちゃんを追っかけて奮闘中。
「ごめんな研二、うちの小雪が落ち着かなくて…。」
「いいんですよ、騒ぎたい年頃じゃないですか。」
小雪ちゃんと雪ちゃんの追っ駆けっこを見て2人で笑う。
「うちの小雪に比べたら、お前のトコは可愛くて、おとなしくて…。」
店長が俺達の少し後を歩く朱美達に目をやる。
「将来の夢は歌手だって、毎日テレビの前で歌ってますよ。」
「親に似たな〜。」
「複雑ですよ…パパモンの歌ばっかり歌うから…。」