Jully〜あなたと夢を〜
そんな話をしばらくした後健児が切り出した。
「…これから契約してくるんだ。この前話したレーベルの所。」
「…うん。」
そうとしか答えられなかった。
「その後、あの場所でまた歌うから朱美も来て。」
「…分かった。」
そう私が言ってバイバイした。
健児が言った時間までまだあるけど、雪が降ってるから早めに家を出た。
「ふ〜寒い。」
家を出て、独り言を呟く。
そう言った息が白い。
手袋してても指先まで冷える。雪が数センチ積もり、うっすら暗くなりつつあった。
健児と会うのが怖かったけど、久々に会うので嬉しさの方が大きかった。