Jully〜あなたと夢を〜

タクシーを飛び降り、暗くなった病院へと入る。


受付の看護師さんが私に気付き、伏し目がちに会釈をする。



──ふざけないで…



──何あの態度……



──まるで健児が死んだみた……い…に。



階段を駆け上がりながら、涙が流れる…。



──生きてるんだから…



──健児は絶対……




はぁはぁ………


一気に階段を駆け上がり、健児のお母さんが言った病室の前に立つ。


ゴクリ…。


驚くほど静まった病院内に今気付く。


切らした息を元に戻そうとするが、なかなか落ち着かない。


この中に健児がいる…。
笑顔で私を迎えてくれる…。


心ではそう思ってるのに、涙が止まらない…。




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