Jully〜あなたと夢を〜
ドアノブに手を伸ばそうとするが、動かない……。
手も足も震え、立っているのがやっと……。
「なんで……」
動かない私の体に苛立つ。
ガチャ…
ゆっくりとドアノブが回り、ドアが開いていく…。
真っ暗な部屋から、健児のお母さんが出てきた。
「…朱美さん。ごめんねこんなに遅くに。」
目を腫らして今にもまた泣き出しそうな姿に、また涙が溢れる……。
「…お…母さん…健…児さ」
言葉が出てこない…
私の肩を抱き、部屋に招き入れる。
お母さんも震えている。
暗い病室の真ん中にベッドがあり、その横には健児のお父さんが立っている。
ベッドには誰かが横になっていて、顔に白い布がかけられていた……。