Jully〜あなたと夢を〜

「…健児!何か喋ってよ!………何か…喋って……。」


そう言って泣き崩れた…。
お母さんは泣きながら必死に私を抱き締め、お父さんは声を殺して泣いている……。




涙をすする音しか聞こえない暗い闇の中、健児のお父さんが口を開く。


「…健児の乗ったバイクに、トラックが突っ込んだらしい。……即死だったそうだ。」


涙をぐっと堪え、震える声でそう言った。



──即死?



「…健児は…息子は、朱美さん…あなたを愛していた…。」



──愛していた?
──過去形?



聞きたくもない話が、現実が…次々耳から目から脳に入ってくる…。



お母さんが立ち上がり、壁に立て掛けられてるギターケースを開ける。




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