Jully〜あなたと夢を〜
「…ううん。昔の歌。」
ちょっと寂しそうな顔で答える。
「昔の歌なら俺歌えるかも…。来てくれたお礼に歌いましょうか?」
パパモンじゃなくてほっとした。
「…インディーズの曲だから多分知らないと思う。」
そう言って、カバンにプレーヤーをしまった。
駅の前を通り過ぎ、いつもの場所へ向かう。
その間も雪ちゃんはパパモンの良さを朱美さんに語ってた。
いつもの場所に着き、新聞紙の上に座る。
二人も俺の前に新聞紙を置いてちょこんと座った。
「オリジナル曲は歌わないんですか?」
朱美さんが手に息を吹き掛けながら聞いてきた。
雪は降ってないけど昨日と同じぐらい寒かった。
「う〜ん…作ってるんだけどいい曲が出来なくて…。」
ギターのメンテナンスをしながら答える。