Jully〜あなたと夢を〜

コーヒーを一口飲んでからお父さんが切り出した。


「朱美さん…今好きな人いる?」


唐突な質問だった。
まったく予想してなかった事を言われたのもあるが、いませんとはっきり言えない自分がいた…。


「いいんだ…朱美さんはまだ若い…。いつまでも健児に縛られてたらダメだよ。」


また一口コーヒーを飲み、優しい笑みを浮かべながら言った。
お父さんは煙草に火を付け、話を続ける。


「健児は私たちの1人息子だった…。あの日健児に朱美さんと結婚したいと言われてな…。」


私はお父さんの話をただうつむいて泣きながら聞いていた…。


「…私も母さんも嬉しいかった…。朱美さんみたいな人がお嫁さんに来ることが…。母さんは念願の娘が出来るって言ってはしゃいでなぁ。」


そう言いながら声が震えている…。
お父さん泣いてる……。



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