Jully〜あなたと夢を〜
「お母さんが1番心配していた…。朱美さんの花嫁姿が見たいってな。本当の母親気取りなんだよ。」
そう言って笑った。
「朱美さんは去年より綺麗になった…。母さんとも喋ってたんだ。きっといい人出来たんじゃないかって…。」
煙草を消して、真っ直ぐ私を見つめるお父さん。
──私は………
「……まだ分かりません。…まだ2年ですし…でも、…でも気になってる人が居ます…。」
泣きながら、でもしっかりとした口調で言う。お父さんを真っ直ぐ見つめて。
お父さんはニコッと笑って、コーヒーをすする。
「もう2年だよ…朱美さん。でも良かった…。その言葉を聞けて…きっと健児も喜んでるよ。」