Jully〜あなたと夢を〜
誕生日
PM.22:00
長かったバイトも終わり、サンタの衣装ともお別れだ。
タイムカードを押して、そそくさと着替える。
「今日も歌うのか?」
休憩中の小太りサンタが、煙草をふかしながら聞いてくる。
「ええ。日課ですから。」
着替えも終わり、愛用のアコギ(アコースティックギター)を担いで店長に挨拶をする。
「1人用ケーキ忘れるなよ。冷蔵庫にあるからな!」
「一言余計です。」
そう言い残し、冷蔵庫の中から2番のケーキを持って、雪ちゃんに挨拶して店を出る。
駅前はまだまだ明るく、クリスマスイブだというのに、人は多い。
残念ながらホワイトクリスマスじゃないが寒い…
イルミネーションされた木の下を、カップルやケーキを持ったお父さんとすれ違いながら、いつもの場所に向かう。
駅の改札口を出て、北口の右側が働いてるコンビニ。
その反対側、左側のタクシー乗り場の前。
南口に通じる階段の下。
そこが俺の場所だ。