Jully〜あなたと夢を〜
健児と研二
健児のお父さんに、家まで送ってもらった頃には既に夜になっていた。
1LDKのアパートで1人暮らし。
健児が亡くなって、毎日ボーっとしていた私を見かね、両親が1人暮らしを勧めた。
「ただいま〜。」
誰も待ってない暗い部屋の明かりを付け、淋しさを紛らわす為に毎日言う。
部屋の真ん中にちょこんと置かれた丸テーブル。
そこには健児への毎日の日記と思い出の写真が飾ってある。
写真立てを手に取り、ベッドに横になる。
写真の中の健児はいつも笑顔で、愛用のギターを持ってVサイン。
「…健児。」
そう言って涙ぐむ。
最近また泣き虫になった。
思い返せば研二さんに出会った頃から…。
容姿、性格は違うけどあまりにも似た点が多く、どうしても健児を思い出してしまう。