Jully〜あなたと夢を〜
「…何言ってるんですか?店長〜。ジュリーがこんなイイ曲作るわけないじゃないですか〜。」
雪ちゃんが笑いながら店長をこづく。
──店長、健児を知ってる?
「…ジュリーじゃない、ケンジだ。そうだろ?」
そう言う店長に向かって私は小さく頷く。
「ジュリーが歌う前、あそこは健児の場所だった…。うちの常連でよく煙草を買っていった…。銘柄はマルメンライトだっけか…。」
MDを聞きながら店長は話を続ける。
雪ちゃんも私も店長の話をただじっと聞いていた。
「ジュリーと違って健児は人懐っこい性格で、こんな俺にも歌聞きに来て下さいって言ってな、すぐ打ち解けたんだ。そして何回か聞きに行った。」