Jully〜あなたと夢を〜

「…健児は死んだんです。」


私は意を決して切り出した。雪ちゃんも店長も私をじっと見たまま聞いていた。


「…2年前、2年前のクリスマスイブに事故で…。」


そう言うと自然と涙がこぼれて来た。
色んな涙だった。
健児を知ってる人がいて嬉しい涙。
2年前を思い出して悲しい涙。
両親以外打ち明けなかった、内に貯めてたものを吐き出す涙。

私の感情は2年分爆発した。


「好きな人が死んだの!私を置いて…。夢を叶えないまま死んだのクリスマスイブに…。」






ガサッ……。




「……ジュリー。」



私の後ろで物音がしたと同時にそれまで黙って聞いてた雪ちゃんが喋った。





後ろを振り向くとそこには研二さんが立っていた……。






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