Jully〜あなたと夢を〜
「好きな人が死んだの!私を置いて…。夢を叶えないまま死んだのクリスマスイブに…。」
朱美さんの悲痛な叫びにも似た声が聞こえた時、俺の中で何かが弾けた…。
ショックなのかよく分からない…俺は手に持っていた、MDが入ったコンビニ袋を落とした。
「……ジュリー。」
雪ちゃんが俺に気付き、声をかける。
涙でボロボロになった顔の朱美さんが俺の方を向く…。
「…そ…そういう事かよ!たまたま俺が同じ名前で、同じ夢を持って、同じ場所で歌ってたからかよ!」
─違うって言ってくれ…
俺は心の中でそう叫びながら、喋り続けた。
「…俺は死んだ彼氏の代わりじゃない!ケンジじゃない!ジュリーでもない!古俣研二なんだよ!」
「やめてジュリー…」
泣きながら俺を抑えつけようとする雪ちゃん。