Jully〜あなたと夢を〜
『出て来い!研二!今、お前のアパートの下に居るから!』
そう言って電話は切れた。
カーテンを少し開け、下を見るとアパートの前に店長の愛車が止まっていた。
店長はもと暴走族の総長で怒らすと怖いのは知っていた。
怒らせちゃまずいと、しぶしぶ薄手のコートを羽織り、外に出る。
静まり返った住宅街に、店長の体には似合わない、軽自動車のハザードランプ音が、カチカチと響いていた。
バタンッ
「飲み行くから付き合え。」
助手席に乗り込むと店長はそう言って車を走らせた。
お互い無言のまま車はバイト先のある駅の駐車場に着いた。
「…どこ行くんすか?」
店長に訪ねる。
コンビニに連れてかれ、そこに朱美さん、雪ちゃんが居たらたまったもんじゃない…。