ガラス越しの恋
高耶の手が一束掬い、唇にあてた。


見ていられなかった。

教室の中に入って、花蓮から高耶を引き離した。


「あれ?何のようですか」
「光臣くん?」


花蓮は驚いた顔をしていたが、高耶はまるで気づいていたかのような顔をしている。


「花蓮、話しがある。高耶、お前帰れ」

「彼氏気取りですか?」

「気取ってねぇ。彼氏だ。オレの女に手を出すな」

「ドタキャンしたくせに?他の女といたくせに、それでも恋人だと言い切りますか?」
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