ガラス越しの恋
「花蓮」


彼女の名前を呼ぶと返事はないが、花蓮は顔を上げてオレを見た。


二重の大きな目、黒目が少しだけ茶色がかっている。

リップだけ塗ってある化粧気のない綺麗な顔。

好きだ。

細くて小さい、どんなデカイもの作ってしまう手。

好きだ。

オレを優しく包んでくれて、直情的な心。

好きだ。


「光臣くん?」


オレを呼んでくれる声。

好きだ。


誘われるように口づけた。
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