ガラス越しの恋

甘い痛み

最初何をされてるか分からなかった。


とても久々なことだから。

高耶くんに聞いていた。光臣くんは約束の日に千春先輩と一緒にいたって。


やっぱり当たっていた。

こういう時の勘はよく当たる。

だから涙すらでなかった。

「知ってるよ。だって付き合ってから一度しかキスしてない。きっと唇の感触が千春先輩と似てるからだよ」

「それでもあいつが好きなんですか」

「多分」

「バカな人ですね」

「そうだね。覚悟はしてたよ」

高耶くんに絵をあの絵を見せた。
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