帰ってきたツバメの兄弟
ボクは、シュウ君、マー君、カー君、チビのツウ君、五羽兄弟の長男です。
ボクたちは、たかし君の家のげん関ののき先に、雨や風が当たらないように考えて作った、巣の中でくらしています。
巣の中では、みんなでおしゃべりしているんだよ。父さんから聞いた、空高く飛んだら見ることができる山や町なみ、大きくなって南の国へわたるときの広い海。
「早く飛びたいね」
と、ワクワクしています。
 
下を見ると、ハチがワンワンとほえて、家を守っています。おじいさんが散歩から帰って来ました。今年は何羽かなと言って、ボクたちを数えています。ハチの声でおばあさんが、げん関に出てきました。おばあさんは、ボクたちを「かわいいね」と言って、ニコニコしながら見ています。
たかし君とお姉さんは学校。クラブで帰りはおそいけど、ボクたちを見て、
「おもしろい顔しているなぁ」
と言って、笑って家に入ります。
たかし君の父さんも、母さんも「おはよう」と、声をかけてくれる。
「母さんが子どものころも、ツバメが来ていたよ」
と、お話ししています。
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