†鑑査委員制度†
第一章
「・・・という訳でね。引き受けてもらえるかね?」
「はぁ・・・」
校長の言っている意味が分からず、俺はなんとも曖昧な返事を返す。
だってそうだろう?
カンサイインセイドって、一体何だ?
今年の春、この私立日下辺高校に入学してから3カ月あまりが経つ。
取り合えず現在の俺の状況を説明しよう。
自分で言うのもなんなのだが…俺は入学当初から割と目立つ生徒として目を付けられていたらしい。
確かにスポーツも勉強も物心がついた頃からこれといって困った覚えはないし、容姿だって目を当てられる程度には整っている自覚がある。
人当たりだって取り立てて問題があるわけでもなく・・・
まぁあえて問題とするならそれを自覚しているこの嫌みな性格と、そんな奴なものだから、未だ特定の友人がいない事くらいだろうか?
でもその部分は俺自身特別必要としていないことと、学校生活を送るのにある程度の人脈さえあればいいと思っているところにある。それによって特に不便も不利益も感じていないからまぁ問題ないだろう。
むしろ何不自由なく、ほどほどに学園生活を謳歌しているくらいだ。
しかしどうだろう、今日もそんなありふれた1日を終えたはずの放課後だったのだが、俺は担任に呼ばれるがままに突然校長室に招かれたのだ。
確かに俺は色んな意味で目立った生徒で、“女殺し”とかよく分からない異名も付いているらしいが(何でも俺を見た女の子からの、一目惚れ率が高い事からとかどうとかの、非常に恥ずかしい由来だった気がする・・・)
だからといってもちろん女の子をたぶらかしたり、何か問題を起こした覚えはない。
だから本当に、校長室に呼び出されるような事態はこれっぽっちも覚えがなかった。
いったい何だというんだ・・・?
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