†鑑査委員制度†


まぁそんな中で俺は割と積極的に愛想を振りまいていたわけだが・・・


そうこうしていると突然教室のドアが開き、先生が姿を現した。


俺の初見の感想は、“でかい”だった。


俺自身、身長175㎝越えで男子としては高い部類だが、先生はどう見ても180㎝オーバーに見えた。


足がスラッと長く、紺色のスーツと暖色系を組み合わせたストライプのネクネタイを付けていて、学校の先生というより新米サラリーマンといった印象だった。


実際見た目どおり若く、教師になってまだ三年目の、今年初めてクラス担任を持つのだと言う。


先生も緊張していたのだろう。顔は凛としていたが、たれ目の目元と柔らかい話口調から若葉マークの朗らかな先生だと印象づけた。







―――そこまで一気に回想し、件の用件を思い出す。


ここで固まっててもしょうがない。行くしかないよな?


俺は鈍く心を固めて角を曲がり、職員室の扉を開いた。
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