†鑑査委員制度†
「どうしました?顔色が悪いですよ?」
先生は心配そうな顔で俺の顔色を覗き込もうと、机から腰を浮かせた。
そんな目で見るなよ。
俺に近づくな!
俺の方へと先生は徐々に距離を縮めてくる。肩に手を伸ばされた所でとっさにその腕をはらった。
俺は椅子から勢いよく立ち上がり、大きく腕をふるって先生から距離をとる。
でも次の瞬間、自分のとった行動にはっとした。
何か言い訳を言わなくてわと口を開いたが、頭は真っ白でただただ馬鹿みたいに口をパクパクとさせてしまうだけだった。
「少し、落ち着きましょう」
でも先生はそんな俺の突然の行動にとくに驚いた様子は見せず、むしろ冷静なほどだった。
そして俺の肩に遠慮がちに手を乗せ、再び椅子に座らせたのだ。
俺は動揺の余韻と、恥ずかしさのあまり床を睨んだ。とてもじゃないが先生の顔は見れなかった。