†鑑査委員制度†


まぁ大体分かった。鑑査委員の仕事というのはおもに一週間に一度、報告としてまとめた物を学校側に提出。学期末にはさらに大掛かりな物をまとめあげるわけだ。


そして、これらは諸々の事情は他の生徒には絶対な秘密事項。


基本的に鑑査委員制度に関わる全ての情報は、外部に洩れないよう措置がとられている。


そのために学校の使われていない空き教室の鍵を渡し、そこで安心して作業に励め。というわけなのだろう。


徹底しているこった。


俺は何だか妙に感心してしまった。


「ここまでで何か質問はありますか?」


先生はゆったりとしたした口調で話す。


「あっ、じゃ一つ」


てっきり今日、柴田先生から何かしら説明されると思っていたんだが・・・


なかなかあの話題にならなかったので、自分から質問してみる事にした。


「あの、各クラスに一名ずつ鑑査委員がいるんですよね?それで、他の鑑査委員の人達はどういう人たち何ですか?」


俺としては自分と同じ境遇にいる奴はやはり気になるところだった。


「そこ何ですが・・・」


先生は悩ましげに返答する。


「どうしたんですか?」


「実はさっきお話した、鑑査委員制度についてのガイダンスにも書かれている事なんですが・・・鑑査委員どうしの接触。及び情報の公開は一切禁止何ですよ」


なにー!?


「だから瀬川くんが知りたい気持ちは分かるですが、残念ながら教えられないんですよね」


「そうですか」


努めて明るい声音で答えたが、内心結構ショックだった。


「それに正直なところ、僕も正確にはどの子がそうなのか分からないので、教えようがないともいいます」


おいおい、鑑査委員制度・・・このシステムはいったいどうなっているんだ?
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