†鑑査委員制度†
確か各クラスの担任が鑑査委員の選出をするんだったよな?
柴田先生・・・あんた、本当に大丈夫なのか?
改めて柴田翔の謎が深まる。
「じゃぁ・・・あなたはまだ何も知らない状態なのかしら?」
姫宮ミコトはどこまで聞いたらいいのか探るように尋ねる。
「一応、鑑査委員制度の大まかな説明と・・・報告書って言うのかな?黒いファイルの扱いは今日説明を聞いたよ。」
「特典の話しわ?」
「鍵と、A特待生がどうのってやつ?」
「そうよ。後、鑑査の仕方によっては校長直属の大学推薦状ね。」
・・・それは聞いてない。
でもなるほどな。現状、完全に一人の生徒の独断状態で鑑査委員制度が成り立っている事から、糞真面目に報告をあげる奴なんているのか?と思っていたが・・・
その話が本当なら納得できる。うちの学校はこうみえて進学校だから、その理由なだけに真面目に取り組む奴もいるだろう。
「推薦状の獲得を狙うなら、成果は勿論。独創性も大事だと聞くわ。だからみんな各々に画策してるみたいね。瀬川くんはどうするの?」
そう言われてもな・・・俺なんかは今聞いた話しだし何とも言えない。
それに、俺にとって大学の推薦状なんてこれっぽっちも興味がない。
でも姫宮ミコトにはたぶん違うのだろう。たぶん彼女も推薦状狙いのくちだ。
思わず苦笑いになりながら聞いた。
「さっきのなんだっけ?ほら・・・姫宮さんがモットーとか言ってたやつ。他の人もみんなそんな感じなの?」
「恋愛ヒエラルキー?まぁ呼び名はだいぶ大袈裟なんだけど、インパクトが大きくて派手な方がアピールになるし・・・そうね。ほかの子も大体何か自分なりのオリジナルをアピールしてるわね。」