†鑑査委員制度†
そんな俺や椿くんの反応に
「あんた達の意識が低すぎんのよ!」
と。鋭く睨みつけ、いかにも姫宮さんらしい反応で一蹴された。安堵と共に呆れずにはいられない。
まぁ・・・自嘲しているより、よっぽど彼女らしいか?
そう思う事でひとまず折り合いをつける事にした。
「だからね。悲しい事にそうした関係性がある以上、自分達が偉いと思っている連中は他人に遠慮がないの。馬鹿な話しだけど、自分達中心に本気で物事が回ってると思ってるわ」
厳しい眼差しで姫宮ミコトは何かを睨みつけながら話しを続ける。
「そんな奴らがトラブルを起こさないと思う?」
聞くだけきいて、俺たちには答えを求めず、彼女はそのまま話しに付け足す。
「無理なのよ。ただでさえまともに人間付き合いもできないくせに、恋愛事が絡むと殊更最悪よ。救いようがないわ」
姫宮ミコトはそこまで矢継ぎ早にまくし立てて、バッサリと切り捨てた。
確かに姫宮さんの言っている事に共感できる部分もある。
しかし、彼女に共感しきれないのは、それが彼女の独断と一種偏見化されているあたりだろうか?
故に、俺も簡単には頷けない。
姫宮ミコトは、彼女独自の法則を持って話しているように思われた。
それは彼女にそこまで言い切らせるだけの、理由の裏付けがあっての事なのだろうか?
端またただの性格上の問題か?
はかりかねて一人考察をしていると、椿千里が言葉を発した。
「あのさ・・・」
その声は妙な重みを持っていて、思わず俺は身構えた。
姫宮ミコトも固唾を呑み込む。