わたしだけのサンタクロース



「したくなかったら、しなきゃいいじゃん。佑介も解ってくれるさっ!!さっ、行こう?早くしないと遅れるよ」



準備がやっと終わったので、コートを着て白いニット帽を被り立ち上がる。



「芽依ー緊張するーっ!!」


「これで、ゆりがついて来てって言った理由分かったよ。大丈夫だーかーらっ、行くよ」



ようやく立ち上がったゆりの腕を引っ張り、部屋を出る。



階段を降りた所でママに会ったので、ゆりが挨拶をする。そこまではよかったけど…



芽依が通り過ぎる時にした発言のせいで、二人で逃げるように家を出た。



ママから逃げるきっかけとなった言葉は───



『今日帰らないねー♪』



その辺は微妙に厳しいうちの家。他のことは放任主義なママだけど、誰の家に泊まるか言わないといけない。



理由は、ママ自身が高校生の時に舞依ちゃんを身籠ってしまったから。



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