わたしだけのサンタクロース
聖なる夜
4時3分。イチに『遅れるな』と言って、芽依の方が微妙に遅れてしまった。
待ち合わせ場所にいるどんな人たちよりも目立つ二人の男の子。
「あーやっと来た。芽依が遅れてんじゃん、後でジュース奢りね♪」
「いーやっ、クリスマスに女の子に奢らせるの?イチって酷いーっ」
わざと膨らませた頬っぺたを人差し指でつつくイチ。
「やっぱり芽依と一くんはお似合いだねっ♪」
「そーだよな。ゆり、俺等もあぁなるぞっ!!」
佑介の隣ではにかむゆりがとっても可愛い。
それと同時に羨ましい。自分が一番好きな人に思われて。
「佑介、じゃあ後は二人で楽しんで。俺と芽依は別でラブラブにするから」
「おーう♪付き合わせちゃって悪ぃな!!じゃーな、一芽依ちゃん」
ゆりが『もお?』って顔で一人焦ってたけど、最初は付いていくだけってことだったもんね。
二人と別れて、イチと歩き出す。