わたしだけのサンタクロース
観覧車から大分離れた所まで来ると、やっとイチが止まる。
芽依はイチと離れた手を膝につき、乱れた呼吸を整える。
「ハァハァ…」
「ビックリした…まさか、一周があんなに短いなんてな」
「そうだね、絶対お姉さんに笑われているよー」
二人で顔を見合わせて笑った。
「芽依、さっきの続きは?」
イチがニヤリと笑う。
今度こそ、イチとの距離が近づいてきて、唇が重なる。
今までしてきた、イチとのキスも好きだったけど…今日のキスが、一番甘くて幸せな気がした。
やっぱり芽依はイチが大好きだよ。
触れるだけのキスが終わり瞼を開けると、ニッコリと優しく微笑むイチの顔があった。
「クリスマスプレゼント」
それだけ言うと、イチは握っていた芽依の右手を離し、今度は左手を自分の右手と繋いだ。