わたしだけのサンタクロース
イチとそれまで繋がっていた右手を、自分の顔の高さまで持ってくる。
芽依の視線の先には───
右手の薬指に光るシルバーリング。
「もう、高2だし…いいかなと思って」
照れくさそうに頭を掻きながら、イチがぶっきらぼうに言う。
うぅー
止まっていた涙がまた出てきそうじゃん、イチのバカ。
今日一日で、何回芽依を泣かせる気だよ…バカイチめ。
次の瞬間芽依は、また大好きなイチの胸に飛び込んだ。
今まで生きてきたなかで、一番幸せなクリスマス。
これからもずっと、芽依だけのサンタクロースでいてね?
「イチのバカ!!大好きっ!!」
-END-