わたしだけのサンタクロース



「ねえ、おねえちゃん?」


「ん?」



携帯電話でメールか何かをしているお姉ちゃんに声を掛ける。もちろん、めいが聞きたかったのはこの質問。



顔を上げ、めいの方を向いたお姉ちゃんに少しももったいぶらずに口を開く。



「おねえちゃんにはサンタさんいるの?」



「は?」



「おねえちゃんは、クリスマスプレゼントにサンタさんもらったの?」



「え?」



意味がわからずに変な声を出すお姉ちゃんに、ママが助け船を出す。



ママの指差した方を見て、めいの言っていることを了解したお姉ちゃんは自慢気に胸を反らす。



「お姉ちゃんには、ちょーっカッコいいサンタさんいるよ♪」



「ぅえ"っ!?」



今度奇妙な声を上げたのは、運転中のパパ。子供のめいは分かってなかったけど、めいにはパパが奇妙な声を出した意味が分かるよ。



そんなパパをお姉ちゃんは見事にスルーし、後を続ける。



「いいだろぉ♪」



ニカッと笑ってめいにピースをするお姉ちゃんに、めいはまたキラキラとした目を向ける。



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