チョコレートフォンデュ
自分の意見には自信があった。

私達の関係は、正にその通りだと思っていた。

でも、豊の意見は違った。


「でも、俺、前もセフレみたいな奴居たことあるけど、そいつとは本当にやるだけだったよ?普通、セフレの女を飯連れてったり、映画連れてったりしないと思うんだけど。普通、会ったら即やる。やったら終わり。そうゆうのが体だけの関係って言うんじゃないの?」


口元まで運んでいた二口目のパスタはそのままお皿に逆戻りした。


豊は続けて言った。


「会う度にやらなくてもいいよ。俺は杏が好きだからそりゃやりたいって思うけど、そんな事できなくても、杏とデートできるならそれで充分。りぃとはもうやりたいとも思わないし、デートもほとんど連れてってないんだ。杏はずっと前から、俺が本気って気づいてたんだろ?」



豊がここまでハッキリ言ってくる前に終わりにすれば良かったと思った。

確かに豊の気持ちは気づいてたから。でも、今日そんな事言われるなんて思ってなかったし、それに、ここまで本気で私を思ってくれてたなんて、想像もしなかった。


「ごめん・・・」



それしか言葉は出てこなかった。


「なんで?俺がりぃと付き合ってたから?俺が杏とりぃの友情を引き裂いちゃったから?」


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