チョコレートフォンデュ
豊は、私とりぃの事については、何度も何度も謝ってきてくれた。


りぃにも何度も説得したらしい。

でも、りぃは私を許さなかった。

きっと、それ程豊を好きなのだ。

私だってりぃの事、許せないって思った。でも、私は豊をりぃ程好きじゃないし、この先好きになるとも思えなかった。さすがに、付き合うことはできなかった。

豊と未だにこうやって会ってることは、誰に何言われても仕方のない事だって思う。でも、寂しさを紛らわさないと、自分がどんどん落ちていく気がしたから。

豊を利用してるなって思ったけど、なかなかもう会えないって言葉が出てこなかった。
豊とデートしてる時って、なんだか親友と居るみたいな心地良い感覚だったから。



「違うよ。りぃの事はもういいよ。私は、豊をりぃみたく愛せないよ。」


「りぃが俺の事本気で愛してると思う?」


「愛してるかどうかは分からないけど、すごく好きな事は一目瞭然だよ。」




二人の付き合いだしたきっかけをりぃから聞いたことがあった。


同じクラスになった二人はお互いに違うクラスに彼氏彼女が居て、でもりぃが豊を好きになって、りぃはその時の彼氏と別れた。豊もそのすぐあとくらいに彼女と別れてりぃが猛アタックしたって。
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