チョコレートフォンデュ
「どうしたの急に?」

砂糖が溶けた事をスプーンで確認してから、さっき見た物を伝えた。


猫舌なので、コーヒーはしばらく放置するのが普通の私なのだが、その時妙に動揺しており、「きっとさっきのりぃだった」と言い終えた瞬間、コーヒーを啜ってしまった。


「あちっ」

舌に軽度の火傷を負ってしまった。


「大丈夫かよ」


と言っている豊の顔から、私の舌の事は二の次なのが明らかだった。



「りぃがおやじと付き合ってる可能性とかあるの?」


今さっき感覚を失った舌の先を気にしながら私は聞いた。


考え込む男、豊。



「あいつなら有り得るかも。。。」



もうほとんど残っていなかったコーヒーを勢い良く飲み干し、豊は続けた。


「あいつ、ここ半年くらいで急に色々ブランドもんとか持ち出したんだよね。中古をネットオークションで買うのにはまってるんだとか言ってた気がするけど、中古にしてはキレイな物ばっかだったんだよね。一応全部本物っぽかったし。」


確かに、私がまだ短大に居た時も、急にブランドもののバックで学校へ来たり、ご飯とかおごってくれる様になった。

所謂、羽振りが良くなった。
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