チョコレートフォンデュ
「何が?」

「何がって・・・。結局りぃは浮気してたみたいだし・・・。」

自分自身が浮気相手の女という立場なのに、何を心配しているのだろうと思いながらも、聞いてしまった。

「俺、マジでりぃの事は杏と会う少し前から気持ちなくなってきてたし。」

「カラオケの前から?」

「そう。で、カラオケで杏みて気に入って、一気にりぃへの気持ちはなくなっちゃった。」


「じゃあなんですぐに別れなかったの?」

「だって、りぃって正直何しだすか分からなかったし、なかなか別れるタイミングが分かんなくてダラダラとここまできちゃったわけ。でもさ、今回あいつが浮気してるのが分かれば、俺は何も気にせずあいつと別れられるし、あいつも納得せざるを得ないじゃん?」

確かにそうだ。

もしりぃが浮気していたのなら、豊はりぃと別れる理由がちゃんとできる。

なぜかこの時、りぃが本当にあのおやじと何かある事を願ってしまった。
< 25 / 65 >

この作品をシェア

pagetop