チョコレートフォンデュ
「じゃぁやっぱり、これって援助交際ってやつですよね?」

豊が口を開いた。

「多分そうだろうな。お金は絡んでるだろうなぁ。まぁ、こんな事簡単に人に言ってはいけないんだが、杏ちゃん達は友達を心配してるみたいだし。俺から聞いたって事はくれぐれも二人だけの中にしまっておいて欲しい。」

心が痛んだ。別にりぃを心配してたわけじゃないから。

「分かりました。」

その事には触れずに、一応返事だけをした。

「じゃぁ、私達はそろそろ車に戻ります。どうもありがとうございました。」

豊が伝票を持って行こうとすると、

「ここはいいから。」

と言って小川さんはいつもの笑顔で言ってくれた。

「じゃあ、お言葉に甘えて。ご馳走様でした。」

豊が頭を下げたのに合わせて私も一礼した。


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