チョコレートフォンデュ
それから約30分後。
小川さんの言っていた通り、約2時間で事を済ませた彼らは、さっきレストランから出てきた時同様、りぃは社長に腕を絡ませ笑顔で出てきた。

豊は携帯の写メを思いっきりズームにして、2,3枚写真を収める事に成功した。

満足気な豊が写真をセーブしている間、私は二人が車に乗るまでをずっと目で追っていた。

なんだかとても信じられなかった。
ここまで現実を目の当たりにしているのに、あれがりぃだとは、どうも思えなかったのだ。

りぃと大学で出会ってすぐに意気投合し、毎日の様に色々な事を話して、恋愛の話になるといつも豊の事を楽しそうに話していたりぃなのに、お金目的で豊と付き合っていたとか、なんか今見てる彼女は、彼女じゃないみたいだった。

お金・・・。私だってお金は欲しい。正直、今までお金に困ったことなんて一度もない。
家だって普通の家庭で、あっくんみたいな子は高校の時付き合ってた彼氏の中でも、何人か居た。
言わなくても色々と貢いでくれる男の子達が。

私は一度もお金目的で付き合ったことはない。

ただ、来るもの拒まずの様に、くれるんなら貰うよと言った感じで、無意識に利用していたのかもしれないけど。

だって、プレゼントされたりご飯おごってもらって嫌な気する女の子なんていないでしょ。

あっくんとかの場合は、寂しさ埋めてもらうためだけで良かった。

金づるなんて思った事はない。でも、毎回何をくれるか楽しみにはしていた。

豊の場合も一緒。

でも、彼には寂しさも体も満たしてもらってたってだけ。
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