チョコレートフォンデュ
本気の恋
りぃの言っている事は支離滅裂で、りぃがパニックなのが、手に取るように伝わってきた。


「りぃ、落ち着いてよ。」

「・・・・豊、杏に恋してるんだって。」

不意を付かれた私は言葉を失った。

「今でも会ってるんでしょ?」

何も言えない私。

「怒らないから正直に答えて。」

さっきとは打って変わってはっきりとした口調だった。

もう、私はすでにりぃの中では裏切り者なのだ。

今さら何を隠すことがあるだろう。。


「うん。会ってる。でも、もう会わない・・・と思う。」


実は、今日の事で、私の気持ちは揺るいでいた。
そう、もう豊との関係は絶つという気持ちが。



電話の向こうで泣き出したりぃ。

何もできないでいる私は、カーテンを開け、窓の外を覗いた。

公園の外灯が桜を照らして、綺麗な夜桜が見えた。

今の私の心に温かい水を注いでくれる様な、優しい潤いを放つ桜に、散らないでと強く願った。




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