チョコレートフォンデュ
「それでね、りぃだって、豊くんに、お金に困ってないところ、見せたくない?」


ユリの甘い言葉は簡単にりぃを誘惑した。



「私、豊に捨てられるのが怖くて、豊に見合う女になりたかった。だから、お金が欲しいと思って・・・バカだよね、私・・」


本当に、バカだ・・と心の中で思っていた。

相手は、ユリが出逢い系で知り合った人で、ユリはもうその人との関係を絶ちたくて、りぃを紹介する事にしたらしい。


「最初はね、本当にご飯とかだけで、お金くれて・・・。だから、罪悪感もあったけど、割り切ってるから浮気じゃないって思うようにしてたの。」


「じゃあなんで、体の関係になっちゃったの?」


「脅されたの・・・。彼氏居るんだよねって言われて、豊にバラすみたいな事を言われて、相手はお金持ちの社長だし、何されるか分からないって思って、豊に知られるのが怖くて、結局体を許しちゃった。」


「豊の事は、本当に、お金目的じゃなかった?」


「最初は、正直、顔と、やっぱりお金持ちっていう所に惹かれた。でも、付き合ってくうちに、本当にお金とか関係なしで好きになって、だから、自分も、お金目的とか思われてるの感じてたから、ユリから聞いたときに、自分もお金持ってれば良いんだって思っちゃったの。」



言葉がなかった。

そんな必死なりぃを見るのがつらかった。

だって、そんな純粋な気持ちを豊が知ったら・・・

もしかしたら豊はりぃを本気で好きと思うかもしれない。

矛盾していて自己中な自分が嫌になった。




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