ﾁｮｺﾚｰﾄﾌｫﾝﾃﾞｭ
こんなに心の中でバカにしていても、なんだか切なかった。

今私の生活の中心はバイトで、もちろんここでの人間関係が私の今関わっている人達の大部分を占めているのだ。

なんだか除け者にされたみたいだった。

だって、うまくいってないの、私だけじゃん。

それに、あんな理系男でさえ、ちゃんとしたかわいい彼女が居ても、他の女の男関係を聞きたがるなんて、やっぱり男って信じられない。と思う。



五時になり牧野さんと交代すると、田中さんも私と一緒に上がった。

「あれ？今日は9時上がりじゃないんですか？」

バイト向けの言葉使いで聞いた。

火曜日はいつも9時まで働いている田中さん。


「うん。今週試験だから、今日は早上がりなんだ。」

「あぁ、だから明日もお休みなんですね。てっきり、デートに行くのかと・・・」


そこまで言って止めた。

うっかりではない。

わざとだ。

私はもう二人の関係知ってるよ。だから、色々私の事とか嗅ぎまわらないでね。

と忠告したつもりだった。


すると、またさっきの様に顔を赤らめ、

「ち、違うよ」

と、明らかにわざとらしい、ベタなリアクションをしてくれた。


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