チョコレートフォンデュ
私達は全く違う方向なので、店の前で別れた。

お疲れ様です、と言い終わるか終わらないかの時、私の携帯が震えた。

駅の方向へ体を向けた私は、ポケットから携帯を取り出して、新着メールを開いた。


「もうバイト終わった?」

豊からだった。

「うん。終わったよ。」

「今から会える?」

「分かった。20分くらいで家に着く」

「了解」

私が駅に着くまでのほんの5分間で、私達は会う約束を取り付けた。

嬉しい様な、何を話せば良いのかという不安の様な、よく分からない私は、ただ心臓がドキドキしているのを感じていた。

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