チョコレートフォンデュ
その日何度もりぃに電話したが、結局一度もりぃは電話を取らなかった。
学校で会った時も、今までは同じ授業の時は隣に座っていたのに、りぃはわざと少し遅れて教室に入ってきて私を避けるように一人で座っていた。

私は話しかける勇気がないまま、結局二週間ぐらいが過ぎ、その間ずっと豊からの電話もなかった。

久々に電話がかかってきたとき、私は文句を言ってやろうと思って電話にでた。

「もしもし?」と言った瞬間、「裏切り者」というあの日と全く同じりぃの声が聞こえてきた。

「こうやって電話が来たら普通に出るんだ?番号変えるって言ってなかった?」

最後の方は冷静さはなくなり、りぃの声が震えているのが分かった。

「違うよ。一言文句を言いたかっただけだよ」

と反論すると、


「文句?なんであんたが豊に文句なんか言うの?悪いのは自分じゃん!」

一瞬にして体が熱くなるのが分かった。

りぃが今まで私に対してあんたとか言った事はなかった。

それにこんなきつい口調のりぃは、私は知らないって思った。


後ろで豊の声がした。
やめろよって言っている。

そいつは攻められず、悪いのは全部私だなんて、筋が通っていない。

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