チョコレートフォンデュ
確かに私も電話を取るべきじゃなかったのかもしれない。

毎日電話が来ていた時もちゃんと無視すれば済んだ事だ。

でも、私だけが悪いなんて、納得いくわけがない。

「りぃ、お願いだから会って話そうよ?」

ちゃんとりぃの顔をみて話し合いたかった。

「話すことなんてない。杏って昔から友達の男ばっか取ってたんでしょ?ユリから聞いたよ。最低だね。」

ユリは私の高校からの友達で、そこまで仲良くはなかったが、短大に入ってたまたま同じ授業を取っていてりぃと三人でよくご飯を食べに行っていた。

実は、ユリが高校一年の時に付き合っていた人と、私は二年の夏から付き合い始めた事があり、でもその時はユリと話した事もなかったし、それにユリとはもう別れたあとだったはずなのだ。それに、中学高校の時なんて、そんな事は日常茶飯事だったから、自分の元カレと友達が付き合っても、時期がかぶっていない限り、仕方のない事だった。ユリはきっと未だに根に持っていたんだって、その時分かった。

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