ﾁｮｺﾚｰﾄﾌｫﾝﾃﾞｭ
豊とこうやって会いだしたのは、私が短大を辞めて一ヶ月くらいした時だった。
電話がきて、最初は私も出なかったのだが、だんだんと寂しくなって電話に出て話しをした時に、どうでも良くなってしまったのだった。
バイト先を教えたら次の日にやって来て、私がバイト終わるまで窓際の席で待ち、その後私達はホテルに行った。

なぜか分からないが、私は、これから豊とホテルに行くって思ったし、豊ももちろんその気だったみたいだ。

私は豊との関係を体だけの関係にしたかった。

特定の彼氏は欲しくなく、友達と遊んでれば良いと思ったが、実際、大学生活を送っている友達とはなんとなく会いづらくなっていて、やっぱり寂しかったのだ。

それからは、豊以外の人でも、男の子と出会ってご飯なんかに誘われると、遊びに行っていた。でも豊以外の人とは、友達になるように努めた。体の関係が何人もいるとめんどくさいと思ったのだ。

今までの私とはずいぶんと変わっていった。





豊が何も言わないから、


「今日はほんとごめん。どこも行かないなら私帰るね。」


と言ってドアに手をかけた瞬間、


「じゃあパスタ食いにいこっか。」


と言って豊は車を走らせた。


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