星の約束


今年のクリスマスも、天体観測部で星を観に行くことになった、とユカに報告していた。

その流れで、過去の記憶がフラッシュバックしてしまったのだが、
その間に彼女は、何か言ってくれたらしい。

「もう1回しか言わないからね」と、ユカは口を開く。


「未波は、クリスマスに、その、なんだっけ…?」

「上村くん?」

「そう、その上村って子と2人でいいの?」

「んー、まぁ、悪い子じゃないし」


ユカはいぶかしむようにこちらを見つめてきた。

私の言葉に、嘘がないか探っているような目だ。

その目をじっと見返し続けることができず、
ふと視線をそらすと、そこでまたユカが口を開く。


「去年はほら、あの先輩いたじゃない、未波が好きだった」

「何言ってんの!
だからそれは違うんだってば」


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